RANS-COSMOS(ランズコスモス)
全自動塗装システム
被塗物の形状認識と3次元データ処理
塗装ブース入口に設置した3D(立体)赤外線カメラにより被塗物の大きさや形状を立体画像で認識し、パソコンで数値データ変換
塗装条件を解析し各種機器を集中制御
数値データは、CPUを搭載したRANS-COSMOS制御ユニットにより最適な塗装を行うための塗装制御データに解析され、スーパーレシプロケータや塗装機、塗料供給装置などを制御する塗装データとして出力。
前後移動装置を備え、超小型の塗料供給装置も搭載できるスーパーレシプロケータ
塗装距離を一定に保つ前後移動装置をレシプロ左右アーム毎に独立して装備され、被塗物の形状を正確にトレースでき安定した塗装を実現します。カウンターウェイトとACサーボモータにより可変ストロークやスムーズで応答性の良いレシプロ動作を実現します。また超小型の塗料供給装置(CCV/FGP)をレシプロアーム上に設定できるため色替の際など時間短縮や塗料・洗浄シンナーの無駄が最少に抑えられます。
ランズコスモス 完全自動化の流れ
主な特長
- 3D立体カメラ
近赤外線LED を使った高速光源、投光した光の跳ねかえりを感知する特別設計のCMOS イメージセンサーで構成され、被塗物の距離や形状をリアルタイムで計測し画像データに出力します。 被塗物の形状が複雑な場合では、複数台の3D カメラによる画像データを合成することで、より正確な形状認識が可能となります。 パソコンではこの画像データを3 次元の数値データに変換します。 - RANS-COSMOS 制御ユニット
数値化された3 次元データは、CPU を搭載したRANS-COSMOS 制御ユニットで、最適塗装を行うための塗装機器制御データに変換されます。 「主な制御機能」- 塗装距離を一定に保つ塗装機の前後動作制御
- 被塗物形状に合わせ、塗料のON/OFF を制御(外形形状のみならず中抜け形状も認識)
- 適正なオーバースプレー量の制御
- スーパーレシプロケータのストローク幅の制御
- ストローク可変に合せた吐出量の制御
- 静電塗装機(マイクロベル・ラジェントガン)
「マイクロベル」
被塗物の形状に合わせシェーピングエアをコントロール。可変パターンベルを使い最適な塗装が実現できます。
「ラジェントガン」
被塗物の形状に合わせ、霧化エアやパターンエアを変え塗布パターンを制御することで最適な塗装を実現できます。 - スーパーレシプロケータ
前後移動装置を搭載したスーパーレシプロケータは、以下の特長を備えています。- 塗装機を前後に動かす移動装置を備え、塗装距離を一定に保ちます。
- 前後移動装置は、左右独立で可動。レシプロケータに搭載した左右各々の塗装機は、それぞれ独立して最適な塗装距離が保たれます。
- スーパーレシプローケータには、超小型の塗料供給装置(CCV/FGP)を直接搭載でき、色替時の時間短縮や塗料無駄を減らします。また塗装機や塗料供給装置に加えアーム前後移動装置により重量化したアームであっても、モータ負担を軽減するカウンターウェイト機構やAC サーボモータの正逆運転機能により、スムーズなレシプロ動作、応答性を備えています。
- 塗料供給装置(CCV/FGP)
スーパーレシプロケータへの直接搭載を可能とするため、超小型のフラッシャブルギヤポンプ(FGP)およびカラーチェンジバルブ(CCV)を新規開発。塗装機と塗料供給装置の間を最短にすることで洗浄色替時間の短縮、洗浄シンナー使用量の削減など効率UP、コスト削減を実現しています。
RANS-COSMOS 事例
RANS-COSMOS の発展性
- 被塗物の形状を自動認識するRANS-COSMOS システムは、その被塗物に最適な塗装条件を、過去の膨大な蓄積塗装データや塗装テストデータの中から選び出し、即時に適用することが可能となります。
- 被塗物とハンガーを判別でき、ハンガーに無駄吹するロスや、ハンガーに塗料を吹き付けることで起こるアース不良の防止(静電塗装の安全性の向上)、塗料使用量削減、ハンガーの清掃頻度の低減などが図れます。
- RANS-COSMOS システムで認識した被塗物形状データは、ロボット塗装システムに転送でき、ロボット動作プログラムの自動呼出し、塗装条件の自動呼出しに応用できます。
- 被塗物形状認識機能は、被塗物別の生産個数の自動把握、被塗物別の塗料使用量の把握を可能とし、より高度な生産管理が可能となります。
- 塗装現場の温度・湿度管理をRANS-COSMOS システムにフィードバックすることで、周囲環境に適した塗装条件を自動設定するといった発展性が期待できます。
- 塗装後の膜厚が自動検出できるようになった場合は、そのデータをRANS-COSMOS システムにフィードバックする事で、より最適な塗装の実現、さらなる塗装不良の低減に応用・発展させる可能性があります。